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[コメント] 刑務所の中(2002/日)

邦画界の息吹を護る仁王像的存在であった崔洋一までもが、「権威欲しさ」「今以上の知名度欲しさ」に目が狂ってしまったみたい。何でこうも考えがクルリと反転するのだろうかと、人間の底深さを改めて凄いモノだと感じてしまいました。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







自分の履歴に傷が付くような危険を回避し、超安全パイ(原作&俳優)だけを選んで映画を作っただけであり、そこにあるのは巨匠になり下がった人間がする、刑務所というカムフラージュだけの知的インテリを装った手抜きの実体。

刑務所の中だけに焦点をあてるのもいいが、どうも崔洋一節が希薄で、人気捕りに出てきたとしか思えない作りであり、笑えそうで笑えない笑いの時代錯誤の大量生産に戸惑う。多品種少量産で、自分の意見を体制側にいる人原意対して声たからかに映画で発言していたのに、こうも大衆の目を気にしてしまうとは、一体どこに原因があるのだろう。原因の一つは、レギラーTV又はラジオ番組が増えたことが、思考と志向の退化を促進させてしまったことは確かだ。

今のテレビ番組は盛り上げるだけ盛り上げ、オチを作らないまま来週や、翌日に繋がる当たり障りのない書いた文章を言って言い逃れしてしまう体質がある。そのウィルスに侵されてしまった崔洋一魂が、また再び復活することを祈りたいが、自分が成長し、ある程度の地位が手に入ればそれで良いと言った考えではこれからの活躍は望めそうもないと思う。

社会を切り裂く描写、大島渚イズムの絶滅をこんなに早くに訪れさせて良いのか崔洋一?

2003/1/7

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)jollyjoker kazby けにろん[*]

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