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[コメント] ゼイリブ(1988/米)

切手コレクターよりコインコレクター。てことで、夏場の三角コーナーに残る残飯に集るウジ虫の如く、うじゃうじゃそこら中に浮遊しているだろうと思われるコインコレクターの霊を自分に憑依させ、B級映画とコインをリンクさせて想いを綴るバカレビュー。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







大作で名作で有名作を札とするならばB級映画というのは間違いなく硬貨の部類に属することは異論のないところだろう。そして、その硬貨の中でもスゲー価値があるのがたまにある。大半がギザ10なのだが、たまに同じギザ10でも昭和33年物や、それ以上の価値がある昭和32年物の5円玉がある。そしてこの映画は昭和62年物の50円玉であるといえよう。硬貨の中の硬貨、硬貨の王様の昭和62年物の50円玉。

鑑定眼やコレクター狂の眼がなければ、そしてサングラスがなければ見破ることが出来ない点は運命的な偶然か必然か。言えることは、昭和62年物の50円玉は『ゼイリブ』のために、いや、『ゼイリブ』とともに産まれた人類遺産。一番身近に感じられる世界遺産の一つとして称えられる価値はプライスレス。

で、名作の大作の有名作は札と先程言ったが、札というのは脆く耐久性がない。名作の大作の有名作も脆い。流行りの役者を使って流行りネタを披露し、みんなが知っている原作を大袈裟に撮っているからだ。その時期が過ぎれば脆く消え去る札とは対照的に、このような硬貨で硬派に決めるゼイリブのようなB級映画は脆くない。アイデア勝負のようで、テーマ性を帯びていて、なおかつ未完成である部分を残す。この突っ込みどころが人を惹きつけさせて、その脆さに自分を投影し、感動するのだ。

昭和62年の50円玉。僕はこれを半ば青い鳥化させながらも懲りずに追い求めていきたい。映画鑑賞道の醍醐味哉、B級映画鑑賞。

2003/7/27

(評価:★4)

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