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[コメント] 顔のない天使(1993/米)

試験の問題と人々の社会の人生の問題を解くのに一番必要な事を教える優秀な教師マクラウドと教わる優秀な生徒チャック。二人の関係を理解できない人間達の愚かさが二人を引き立たせている。やるなメルギブソン!
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







チャックが一度試験に失敗しているのは、チャックがまだ問題を解くのに必要なのが何なのか当時身に付いていなかったからであろう。だが精神分析医に対して自分の全てを偽って現実から本質から逃げていたのでは何事も成し遂げる事ができないと悟り決心するチャック。

自分の運転する車と車内で起きた事故を引きずり、人里離れ一人孤独に生きていくマクラウドもまた現実から本質から逃げていく。だが彼はチャックを通して過去と対峙し自己を乗り越える事を試みる。

学問を教えマクラウドは、チャックに自分を見せる事で試験の問題を解くのに必要な力である、物事の本質を見極める力と問題を真正面から受け止める力を重点的に養わさせた。と同時に彼自身もそれを再確認し、教える事で過去を取り戻し、自己を見せる事で自己完結で強制封印させていた心を解き放とうとする。二人の成長を見て理想の人間関係を見いだせそうだった所に周囲の偏見の眼差しが登場する。チャックは最終試験を突きつけられる。それは「信じる心」が身に付いているか。

  自分の能力を「信じる」のとマクラウドを「信じる」、真実を「信じる」ということ。

ラスト、去ったところ追わなかったところに成長が見られる。信じているから追わず手を掲げた。さらに、マクラウドがチャックの卒業を見届けただけではなく、チャックもマクラウドの卒業を見届けた。彼は陽が昇っている時間に人混みにいたのだ。

2002/9/20

(評価:★4)

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