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[コメント] 脱走山脈(1968/米)

ルーシーとブルックスの関係を見て、絵本『かわいそうなぞう』を真っ先に、そしてジョン、トンキー、ワンリーという三頭の象が上野動物園に眠っている事を思い出した。それが意識にあったので、ルーシーの元気に歩く後ろ姿に涙が出た。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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非の打ち所など見あたらず、人類のポテンシャルの高さを示してくれたこの映画を、動物映画の最高傑作と言おうではないか。敗れる側と勝つ側と、そして動物の側から見た戦争に彩られた山脈の景色が、ブルックス&ルーシーの表情によって鮮明に伝わってきた。最後まで信念を貫きルーシーを守り通した男の生き様に、動物好きの最高峰を見た気がする。まさに見習いたい男(動物愛好家部門)ナンバーワンであった。

[私事]

絵本『おこりじぞう』と共に、私の幼少期に影響を与えた絵本、『かわいそうなぞう』の最後に出てくるセリフが「戦争をやめろ」「戦争をやめてくれえ やめてくれえ」だ。今見ても決して遅くはなかったのだが、あまりにもルーシーの国境越え&エンド時に出た言葉とは対照的な言葉が鎮座する絵本を見た、衝撃を受けた子供時代に、これも出来れば見たかった。両方の結末を知ることで、得られたことがあったと思うから。信念という言葉とその行為の大切さ素晴らしさが、子供時に無意識にしっかりと根付いていたら、もっとイイ人間になれただろうにと思ってしまう。が、チャンスがある。次は自分が親だ。そう、自分の子供に見せるべき映画を見つけたのだ。よし、トンビが鷹を生んでやる育んでやる!

と、今も昔も良い人間じゃないけど、これだけはしようと思った。思わせた映画でした。

2002/12/20

(評価:★4)

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