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[コメント] アメリカン・サイコ(2000/米)

ホラーやスリラーじゃなくて、コメディとして思い切って開き直って第二の人生(レンタル)をスタートしてくれたら☆4だった。また名刺ではなくナニの勝負があれば間違いなく☆5だった。(眼球に降りかる眩しいB級光の原因は、女流監督メアリー・ハロンのキャスティングとチョットずれた義侠心→)
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まず、キャスティングなのだが、男優は自分のモロ好みで、女優は自分よりも劣り気味をチョイス。そうすることで、作中の陳腐殺人鬼なベイトマンと同期させてメアリー・ハロンという自分を保っていたのだろう。そう思わなければ、読んだことないけれど、原作が可哀相な気がしてならない。

そして、チョットずれた義侠心についてだが、メアリー・ハロンは「原作の評価が低い」、とDVDに収録されているメイキングで語っている。原作は残虐な行為を細かく描写しているが、映画は殺人シーンを控えて、変わりに登場人物の心理を丹念に描くことで、本来高く評価されるべき原作内での「80年代の風刺」の表現を下界に降臨させ、原作の評価向上に頑張った、らしい。

彼女曰く「悪評からの救出」なのだが、作品はどうみても何に対しても迫り切れていない単なる「悪評の定着液」。トドメに言うが、ウィレム・デフォーを無駄に使った罰は大きいと言えるのではないだろうか。ホラー&スリラー色を排除して成立する素材ではないのに、だ。ぶっちゃけて言うが、アンタちょっと馬鹿だよ。

言い足りないのでラスト。優れた映画とは、いかなる年代に見ても廃れないテーマと心意気が内包されているのではないだろうか。この映画は普通に「80年代の風刺」に終始して、人間の本質に迫り切れていないので、優れた映画ではない……ん?まてよ、ある意味、ベイトマンをムキムキ全裸を廊下に走らせて冒険しているので、本質に迫っているかも…。ちっ、要所要所で笑わせてくれたから「優れた映画ではない」を授与できないな。訂正するよハロンさん。悪かった。

訂正B級光→C級光:コメントの最初の部分]

どうでも良いことかもしれないが、何故☆1ではないのかというと、この映画のオチを「ハッピーエンド」ならぬ、パトリック・ベイトマンを加味して「ヤッピーエンド」としたからだ。そのオチに感銘を受けて☆1をプラスして☆2を献上。ヤッピーエンド…良い響きだ。

2002/11/26

(評価:★2)

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