[コメント] トウキョウソナタ(2008/日=オランダ=香港)
黒沢清にしては普通でした。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この閉塞した時代を黒沢清はどう道筋つけてくれるのだろう、と期待したけれど、割と普通だった。良識の範囲内、というか。表現としては正直少し弱いと感じる。
そういう淡々としたものなのかも知れない、現実というのは。 それでも壊滅したかに思われた家族がまた新たに再生してゆく様は、静かな勇気を与えてくれる。限りなく死に近づいていって、またそこから普通に帰って来て何事もなかったかのようにご飯を食べる家族の姿は、自分んちの家族もそうなんだと重ねて思った。家族の全員の絶望が一度に襲ってこなくても、それぞれ何がしかの絶望に何度か襲われているのだろうし、それでも存続していく家族やら日常やらの強さをおもった。自分が思うより、そういったものの強さは確固たるものなんだということか。
小泉今日子という人は、なんとなく、という曖昧な役よりも、一度振り切った感じの役のほうが似合う。いっぺんどん底みてる感じの。相米慎二の風花のような。ハードルを高く設定すれば、こなしてくるのであなどれない。
香川照之 や津田寛治の演技の確かさは今回もハズレなしで、お笑い芸人としてはなんの興味もなかったアンジャッシュの児嶋一哉が思わぬ拾い物でした。 その他のキャスティングも文句なし!
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