画面内で展開されるエロさ＆エグさ＆残酷さのわりには、妙に冷静な目で鑑賞している自分にふと気づいてしまい、そのこと自体に衝撃。心のどこかで「だって、これって“映画”でしょ？みんな監督の指示の下で“演技”してるんでしょ？」って思いながら観てしまうのは、きっと僕が現実世界の「もっとエグくて残酷な」ものたちに毒されちゃってるからなんでしょう。実際、スカトロ系AVのエグさと言ったら（以下略）

　とは言え、いくら冷静に観られたところで、この映画の中から何らかのメタファーや思想を見い出すことは出来そうにありません。もし見い出せる人が居たとしても、それは錯覚かもしれません。実際に糞尿まみれになってみたり、地獄の責め苦を味わってみて、初めて「あ！なるほど！」と思うのかも…いや、思わないような気もするけど。

　そう言えば、子供って糞尿系のギャグが好きだったりしますね。ある意味こういうのは人間の根源的な部分に関わる嗜好なのかも知れない。それに対する歯止めのひとつがが“社会性”や“禁忌”なのだとすれば、その箍（たが）が外れてしまうと…どうなっちゃうか分からないかも。――なんてことを尤もらしく考えてしまうのも「パゾリーニ作品」という箍が掛かってるから？その箍が外れちゃえば、この映画だってただの“変態映画”で終わっちゃったかも…（何だか「かも」ばっかりかも…）