[コメント] マルホランド・ドライブ(2001/米=仏)
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…でも、デイヴィッドおじさんは『ツイン・ピークス』のときなんかもそうだったけど、途中から話の辻褄を合わせることをわざと放棄しちゃうんだよね。それに混乱する僕らを見て楽しんでるような、ちょっと意地悪なおじさんです。
「さあ、辻褄を合わせたいんだったら、自分で謎を解いてごらん。ヒントはあちこちにあるんだから。べつに無理に解かなくたって構わないけどね」
でも僕は、たぶんデイヴィッドおじさんは、実はそれほど話の辻褄を真剣に考えてないんだと思う。だって、元々これってテレビ用のパイロット・フィルムだったって言うし。前半部分(=通称“ダイアンの夢”?)が何となく正統派ミステリーっぽいのも、きっとそのせいだよね。その後、一本の映画として完成させるために後半(=通称“ダイアンの記憶”?)を作ることになって、いつものおじさんの悪い癖が出ちゃった、みたいな。
『ロスト・ハイウェイ』って話を聞いたときには、僕はすっかり放り出されちゃって、でも「それがこのおじさんの話の面白さだ」って勝手に興奮しちゃったんだけど、今度の話は、ちょっとだけ「ちゃんとした話」っぽいから、何となくあれこれと辻褄合わせをしたくなる。謎解きパズルをしたくなる。おじさんの術中にまんまと乗せられちゃいました。 …だけどたぶん、おじさんはそれほど深く考えてないんだと思う。はったりかましてるだけなのかも。そんな疑いを抱きつつも、おじさんの話に惹き込まれる。
デイヴィッドおじさん、次の話も楽しみにしてるからね。次はもっとヘンなお話を聞かせてね。
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