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[コメント] 男性・女性(1966/仏)

マルクスとペプシを愛した世代の映画。
マッツァ

「時代は変わった。ジェームス・ボンドとヴェトナムの時代が始まった。」・・・銃声

価値観が揺れ動き分裂した60年代も半ばの混乱期を生きる若者達をインタビュー形式を用いた形でその発せられる「言葉」と映し出される「映像」により、生のリアリティを追求した作品・・・さらに言えばを二組の青年達「マルクスを愛する」ポールとロベールそして「ペプシを愛する」マドレーヌとエリザベートという男女の人間関係を通じて社会主義と資本主義の二つのイデオロギーの衝突による混迷の世相を描いているのだろうか。『気狂いピエロ』から『中国女』に至る過渡期の作品と考えるとゴダールの当時の信条と映画に対する真摯な姿勢が窺えるようにも思う。

蛇足だが、ピチカートファイブの小西康陽氏はゴダールの大ファンとして知られている、そして「女王陛下のピチカートファイブ」には冒頭のセリフがサンプリングされている。小西氏のように「男性・女性」公開当時青年期を送った人たちがこの作品から感じた時代の空気、そしてそれにシンパを感じたことは容易に想像できても、今現在この映画からそれを生の実感として感じることは極めて難しいと思う。

しかし、映画中の字幕「わかるひとにはわかる」まさにそんな映画だとは思うものの、高飛車な物言いですね。無理に観る側に理解を求めないのはいかにもゴダールらしいですけど。きっと俺も『知ってるつもり』なんだろうな。。

(評価:★3)

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