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[コメント] 浮気な家族(2003/韓国)

予告すら見ずに見たが、非常に期待外れ。何か、物語として圧倒的に何か内側を抉ってくる痛烈さが無く、ブラックユーモアが外れ気味。いや、笑うには笑ったけどね。 2004年12月9日劇場鑑賞(最後の17歳の日!)
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







と、言う訳で、最後の17歳の日にR-18を制服で見てやろう、と言う所に偶然この映画があっただけで、実を言うとそれ以上の鑑賞理由は無く見た(笑)

一応、この作品は劇場の「韓国映画スタンプラリー」と言うプログラムの中の1本であるせいか、場内は観客こそ少ない物の、如何にも「韓国映画が大好きです」と言うような感じのおば様方が数名と、若いカップルに、一人で来ている人が数名、と言う具合。

なのに、上映中に全く笑い声が聞こえない。な、なぜなぜなぜだーーー!!!一人で声上げて笑って、恥ずかしいじゃないか!

主人公が倦怠期の人妻――スクリーンに居る“人妻”は彼女たちより一回りぐらい年下に見えたけど――と言う事は、つまり彼女たちがターゲットの作品、とも言えるはずだ。多分。違うかもしれないけど。なのに、ピクリとも動かない。では、男性の方々はどうかと言えば、笑い声しない。

俺の見た上映回だけかもしれないけど、コレってどーなんだろ。ノリが悪いのか、映画が失敗なのか。

とある所で「無意味にエロシーンが多い」だの「嘔吐シーンを直接描写する必要性を感じない」だのと叩かれているのだが、個人的に、ソレはどうかな。

エロスはさして過激でもなく、無意味に多いとも思えない。この手の内容ならばこのぐらいのエロスで「無意味に多い」と言うのは、少々ヒステリックすぎに思える。それなら直接的な描写を抑えながら、しかし、この作品以上に強烈に描いている『ピアニスト』なんてどーなっちゃうんだろう、とか思うんだけどなぁ。

だから、俺はむしろこの作品はもっと過激にしても良かったと思う。こういう題材だけに、例えば旦那とのセックスに燃えないから、SMを試してみるけどやっぱり燃えない、見たいなシーンをコメディタッチに挿入したり。

倦怠期の人妻の溢れる性欲。何か、作品の核を成す物が少々スマートに描かれすぎている気がして、確かにそういう淡々とした物がこの作品の良いスタイルでもあるのだけど、それでもやはり、少々不満が残った。

淡々と物語を描く中に、淡々と過激な物をさらりと流れこませる。そんなスマートさもあれば、もっとブラックユーモアとして洗練された物に成り、もっともっと心を抉るような快作になりえたんじゃないかと思う。

結局の所、正直言うと、ストレートすぎて面白味に欠けた、と言うのが見た直後の印象。

決して下手ではなく、むしろコレだけ淡々とさせながら退屈させないのは、確かに巧みではあると思うが、この冷めた淡々としたテンションのまま、より一層過激に詩的にやって欲しかった、と言うかなぁ・・・。何か、イマイチ作品が「良い子」の位置に収まっており、野心的な物を感じられなかった、と言う感じ。

いや、面白くないなんて事は全くないんだけどね・・・

消化不良。

因みに、養子の男の子が廃ビルから投げ落とされるシーン、あそこすげーシュールで俺、一人で大爆笑してたんだけど、場内静まり返ってる。何なんだ、俺がおかしいのか!?

あ、それから主役のムン・ソリ。彼女『オアシス』の主人公女性なんだね。俺、家に帰って調べるまで知らなかった(爆死)『ペパーミント・キャンディー』も『オアシス』も両方見たことあるのに、いくら俺が俳優に関して無頓着とは言え、うぅ、無念。

(評価:★3)

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