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[コメント] 模倣犯(2002/日)

わからん。俺はどうやら「仲居君のレベルについていけていない」らしい。 2003年12月27日テレビ鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







俺が「仲居クンのレベルについていけていない」だけなのかもしれないが、正直言ってタイトルの意味が良く分からない。結局、犯人=仲居がテレビで「私は模倣犯では無い」と主張していた事程度の関連性。で、だからタイトルは何を言いたいのよ?

マスコミが犯人に翻弄されてるのって、今に始まった事じゃないと思う。犯人が意図して翻弄していたかは別にしても、結局大衆は口先では何を言おうと、結局興味本位で煽りたがってる。それは翻弄されている、と違うのだろうか?この映画でのマスコミを翻弄する事は模倣ではない、と言い切れるのだろうか?では、この事件の何処にオリジナリティが存在したのだろうか?

結局既存のモノを意識していなくても気がつけば模倣しているんじゃないのか?と、いう訳の分からない突込みをしてみる。

見終わって正直な感想は「原作は面白いのだろうな」と言う感じ。実際、前半部分(=仲居が登場するまで)は、山崎努を主観とした語り口で、犯人に翻弄されるマスコミ、マスコミに翻弄される大衆、ネット上での興味本位の謎解き等々、大衆の、現代社会の病理、と言うか、人間の「他人の不幸は蜜の味」な部分を具現化する。

序盤で山崎努が犯人との電話のやり取りの中で自分の娘だけを心配している様な雰囲気を指摘され、困惑していた様があったが、あの描写は鋭いと思う。前半は至る所に「おっ?これはもしかして中々深い映画なのではないのだろうか?」と、誰しも奥底に持っている闇を描き出す、と言うよりもえぐり出す様な映画なのではなかろうか?と期待してみたが、仲居が出てきてからと言う物、どうも画面に引き込まれない。

元々凝った演出と編集で見せていたのだが、正直言ってめまぐるしすぎる。少し観客を置いてけぼりにしている感じもあるが、あれはあれで悪くは無いとは思った。問題は、映像に凝っている癖に、脚本が致命的に中途半端、と言う点。

仲居が画面で爆死しようと、ギャグにすら見えず笑いすら起きなかった。俺はずっと前半を信じていた。「きっと何かある、この映画は何かやらかしてくれる」と、可能性を信じていた。

なんだか『完全犯罪クラブ』を見ている感じだった。優等生(勉強も出来るしハンサム、おまけに友達に好かれてる)が他人を利用しながら、周囲を翻弄しながら「完全犯罪」を作り上げようとする、この映画を思い出した。

しかし、本作は宣伝の段階で既に「仲居=犯人」と謳って居る地点で、描かなければいけないものは決まってくると思う。この映画は謎解きのサスペンスを最初から破棄している。

肥大しきった犯人の自意識、と言うのか、そういうモノは何となく見えてはきたが、それだけでいいのだろうか?と思う。

よくわからんが、この映画が描くべき物を描ききれて居ない。ド本気で描こうと思うのなら、商業主義を捨て去り、コメディアンがダラダラとつまらんギャグをかます映像を垂れ流さずに硬派に作れ。映像も変に凝らず、脚本に凝れ。仲居@犯人の魅力の乏しい事この上ない。

もっと鋭い事をやって欲しかった。何か中途半端にやって変に媚びてる感じが否めない。

ラストシーンは原作と違うらしいが、一体あの子供はどこから飛び出てきたのか?言いたい事は何となく分かる(要するに「血じゃなくて環境=育ての親?」って感じに言いたいのか?なんか無責任なオチだな。そんな単純なモノか?殺人犯て)が、全く納得できないし、劇中に張って置いた伏線が全く活かされていない。

もうよくわからん。俺には何を狙った映画なのか良く分からん。前半部分くらいの話が展開していくなら★3〜4くらいつけても良いのだが、仲居の登場から全てが破綻して、あの爆死シーンはもはや真面目なのか、製作を放棄したの、とすら考えてしまった。

本当によくわからんよ、この映画。今度見る時はコメディ、としてみようと思うけど、多分もう見ない。

とある方から「仲居」じゃなくて「中居」だよ、と指摘を受けましたが、俺は別にSMAPを好きでも無いし、中居に興味がある訳でも無い上に、まぁ細かいミスなのでどうでもいいかな、と思って面倒くさいので書き直しません。

(評価:★2)

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