コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ロッキー4 炎の友情(1985/米)

星条旗を背負ったロッキーはそんなにかっこ悪いか?
空イグアナ

ロッキーがチャンピオンになったからつまらないのか?星条旗を背負って戦ったからダメなのか?

なるほど1作目の『ロッキー』は確かに、人生でチャンピオンの座につけない僕たちを勇気づけてくれた。そのロッキーがチャンピオンになった。相変わらず平凡な生活を送っている僕たちを置いて、遠い世界へ行ってしまった。しかしちょっと待ってくれ。それで「へっ、ロッキー、あんたもかよ。」「アメリカを背負ってソ連と戦うなんて、偉そうなこと言うんじゃない。」と愛想を尽かすのは違うのではないか。

1作目の前半で、ロッキーが言っていたではないか。「アポロがピエロだって?違う。アポロはピエロじゃなくてチャンピオンだ。全力を尽くしてチャンピオンになったんだ。あんたは何かに全力を尽くしているのか?」

「ロッキー」は人生でチャンピオンの座につけない僕たちを勇気づけてくれた映画だが、チャンピオンを馬鹿にしているわけではない。チャンピオンを尊敬する心は忘れていない。

ロッキーの言葉に対する店主の答えはこうだった。「ロッキー、お前の言いたいことはわかるが、俺はこの小さな店を経営してれば満足なんだよ。」

本当にそうだろうか?ロッキーは、試合に勝てなくてもいい、自分なりの目標を立て、それに全力を注げれば満足だと言い、そしてそれができた。僕たちはどうだろう?試合に勝てなくてもいい、大金持ちにならなくてもいい、成功することばかりが人生の勝ち組じゃないのだ−−−それは正論だが、それを言い訳に怠けていないか。実のところ、試合に勝てないどころか、何の目標も立てず適当にサウンドバックをポコポコ叩いて満足しているだけなのかもしれない。

全力を尽くした結果、チャンピオンになったロッキー。だからといって、努力はそれで終わりではない。ロッキーが選んだ次の目標は、ドラコと戦うことだった。ソ連の送り込んだ敵に、アメリカの代表として戦う。それはチャンピオンならではの目標であり、平凡な生活を送っている僕たちからすれば、途方もない目標かも知れないが、自分で立てた目標に全力を注ぐロッキーのことはやはり応援したい。

僕がこの映画に今ひとつ熱くなれなかったのは、冷戦とかアメリカの政治思想がどうとかそんなのではなく、本当に映画の演出としての問題だ。わけのわからないロボットが出てきたり(当時としてはすごかったのかもしれないが)。特にビル・コンティの音楽がなくなったのがさみしい。ぜひ雪山で「Gonna Fly Now!」と叫びたかった。

もう一つはアポロの扱いなのだが、これについては『ロッキー5』で書きたい。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ペンクロフ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。