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[コメント] マリー・アントワネット(2006/米)

「少女マンガのノリ」で「お姫様ごっこ」の映画だろうと予想していた。後者は当たっていたが前者は半分違っていた。悪い意味で。物語を見たという気がしない。
空イグアナ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ソフィア・コッポラの映画を見るのはこれが初めてである。ただ、これまでの作品の評判をちょっとばかり聞いて、そして予告を見て、コメントに書いたような予想はしていた。

時代考証などはなから無視!それでこそ出せる面白さがあるのだ!という軽快なノリで楽しませてくれるのかと思いきや、始まりから30分で退屈してしまった。結婚して異国の宮廷での新しいに戸惑う様子も全然伝わってこない。そもそも結婚前の生活は描かれていないのだから伝わるはずもない。

宮殿では、マリー・アントワネットやその周辺の人間に関して、噂が囁かれたりするが、実際にどんなことがあったのか、映像では見せてくれない。逆に映像で説明されたことは噂されない。唯一両方がセットになっているのは、子作りの話だけで、それにしたってあっさり解決。感動も何もない。そうじゃなくて、行動すればするほど悪い噂がたつ、私はそんなつもりじゃなかったのに、というふうに描いてほしかった。その方が面白いドラマになったはずだし、そうすればあの「パンがなければケーキを食べればいいじゃない。」という有名な台詞も、そして実はそんなことは言っていないという真相も、生きてきたんじゃないかと思う。

要するに、描かれているのはまさにお姫様ごっこそのもの。ママゴトと同じで、ただいま、おかえりなさい、今夜の夕食は何?と、生活の様子を順番に演じていればまあ物語になるといえばなるのだが、起承転結や山場が計算されているわけではない。中世の風景やキルスティン・ダンストは綺麗に撮れていたとは思うが、2時間も見るのは、ちょっと辛かった。

(評価:★2)

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