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[コメント] 愛のめぐりあい(1995/独=仏=伊)

男女とその理解
ルミちゃん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







第1話.カルメンはシルヴァーノを待ち続けていたと言ったけれど、シルヴァーノは結局カルメンを抱かなかった.その理由は分からない.少し言い換えると互いに互いの気持ちを掴み切れない面はあるけれども、その理由はさて置き肉体関係は持たなかった.

第2話.若い女は自分の犯罪を打ち明け、私(映画監督)と彼女は肉体関係を持ったけれど、結局私はその町から逃げ出した.(彼女の前から姿を消した)

第3話.妻は家財道具を引き払って、どこかへ行ってしまった.そこへやって来た、自分の妻と同じように家財道具を持って夫の元から逃げ出してきた女.夫婦、つまり肉体関係を持った間柄でも、嫌になったら逃げ出すもの.

第4話.メキシコの探検隊の話から気の合った、男と若い女.この男、若い女と別れようとしても、その色香の前に肉体関係を持ち、妻ともまた然り.結局はどちらとも別れられずに居るけれど、この三角関係、肉体関係だけで結びついているだけで、互いに理解し合う心は何も無いみたい.

挿話.画家とその友人の女.現代は偽物流行り.その話の内容は触れずに置くとして、結局この女と言うよりこの二人、互いの気持ちを理解し合ったみたい.(この二人、マルチェロ・マストロヤンニとジャンヌ・モローなのね.私、こんなに優しい表情のジャンヌ・モローを観たの初めて)

第5話.若い男女.巡り会いをチャンスとばかり、男は女に言い寄るのだけれど、けれども彼女は明日から修道院へ行くと言う.参考までにこの二人、肉体関係はない.

解説では4話になっているけれど、私は5話にしました.挿話も一つの話にして、6話で考えても構わないでしょう. 簡単にまとめれば、男女が互いの心を理解し合うのに、肉体関係はあっても無くても関係ない、と言うことで良いのでしょうか.もう少し付け加えれば、上辺の言葉、綺麗な言葉、お世辞とか、こんな言葉で女の子は喜ぶとか、そうした会話によって、男女の心が理解し合えるものではない.空き家同然のアパートに取り残された男と、そこへやって来た女、この二人の、ふとなんとなく気が合う心は、こんなふうに語っているのでしょう.

男と女、互いに理解を求め合うとき、必然的に体も求め合うけれど、けれども肉体関係を持ったからと言って、互いに理解し合ったと言うことはできない.もっと簡単に、肉体関係を持っても相手の気持ちは解らない、でも良いでしょうか.

(評価:★5)

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