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[コメント] マーズ・アタック!(1996/米)

派手なヒーローの不在。メッセージ性の欠如。やりたい放題の火星人。もう、ラストなんてどうでもいい。
NAMIhichi

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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これは、確かに人それぞれ好き嫌いの分かれる映画だと思う。それも、好きか嫌いか、始まって数分で決着がつく。私は、火星人が出てきた瞬間、好きになれると確信した。

この映画の主役ともいうべき火星人。彼らの初登場のシーンでは、このコミカルな動きは・・・と、どこかに電池が入っているのではないかと思わず目を疑った。初めて観るのに、何となく懐かしい感じがする。そう、宇宙人はこんな感じ?と誰もが無意識に一度は考える禁断のビジュアル(笑)。灰皿にしか見えないUFOに乗り、魅惑のウォーキング美女に扮し、動きも服装もかなり怪しいが、やっぱり血液は緑という、期待を裏切らない火星人像。観たかったものを観た、という満足感があった。

これだけ火星人が“濃い”と、俳優たちの印象が薄いのではないかと思いきや、どうしてどうして、彼らも怪しさだけでは火星人に負けていない。史上最強のこわもて大統領夫妻、岸田今日子そっくりなおばあちゃん(確実に失礼なのだが、一体どちらに失礼なのか分からない)、トム・ジョーンズの役を演るトム・ジョーンズ。そして、どうやって完成させたのか想像もつかない宇宙語翻訳機。とにかく細部が楽しくて、最後まで飽きない。

何より良かったのは、地球を救うのは、愛なんかじゃなく、音楽だったこと。派手なヒーローの登場もなく、余計なメッセージもなく、最後までシリアスにならないのが良かった。ラストにしか感動がない映画は多いけれど、個人的には、火星人のライフスタイルにずっと感動しっぱなしだった。いわゆる、主人公の愛国心を描くためだけに登場する宇宙人ではない点に魅力があり、彼らが撃退されたあとは、思わず一抹の空虚感を感じてしまうほど、賑やかで楽しい映画だった。

(評価:★5)

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