[コメント] 竜二(1983/日)
セミ・ドキュメンタリータッチで正攻法過ぎる位正攻法な作劇だが、元“ホンモノ”が発するオーラを纏った金子正次がやはり強烈な印象を残す。やくざ生活と小市民的生活の狭間で逡巡する竜二が吐く科白、これがすごく共感できる。それはたぶん彼の弱さに。甘ったれかもしれない、でもあのラストシーンには込み上げてくるものがあった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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肉屋のバーゲンセールに並ぶカミさんと娘。その光景を距離を置いて見つめる竜二。その目からこぼれ落ちる涙。竜二に気付き全てを悟ったカミさんが娘に言う一言。「またおじいちゃんとこ帰ろうか」。最後まで気丈さを保つ彼女にも心打たれた。商店街というまさに一般小市民的ロケーションの中での無言の別れ。自分の中で忘れられない名シーンの一つになった。
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