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[コメント] 祭りの準備(1975/日)

閉塞的地域社会の中で悶々と燻り続ける青年よりも、老いてなお盛んなお爺ちゃんに目を奪われる。
クワドラAS

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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当時の土俗に違和感を覚える主人公である青年が、母親の呪縛から脱出して物語は終えるが、、、ご近所仲間の万歳三唱で見送られながらも彼を乗せた列車は漆黒の闇(トンネルだったかな)に消えていくという絵面。 都会(東京)に行ったは行ったでまた一筋縄ではいかない、、、どこか暗な余韻を感じてしまった。 もう少しポジティブな幕切れを演出するなら違う絵柄もあったと思う。

個人的にベストシーンを挙げるなら、、、必死の形相でヒロポン中毒から目覚めた娘を追っかけるお爺ちゃん。それを見て笑うお婆ちゃん集団ってところかな。このお婆ちゃん達、事情を知ってか知らずかは判別つかないが、皆ニコニコ笑顔でそれを見届けている(笑)。この短いシーンひとつで、良くも悪くもな村社会の寛容性を見る事が出来る。この婆ちゃん達の顔がまた個性溢れてて良かったんだよ。

そしてベストプレイヤーを挙げるならやはりお爺ちゃんだ。 今でこそ「生涯現役」は一つの標語みたいになってはいるが、あの当時から既に不言実行していたとは恐れ入る。しかも孫(主人公)を押し退けてまでヒロポン娘の体にむしゃぶりつくバイタリティ。孫が発狂するのも分かる気がする、、、(笑)。 自殺してしまったのは残念無念だった、、、

まあ、不寛容な社会もぎすぎすと冷たいが、寛容過ぎるこの物語のコミュニティもねっとり粘着質で居心地は甚だ疑問だ。 でもどっちがより人間ぽいのかと言ったら後者だと思う。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)青山実花[*] けにろん[*] 寒山

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