当時は「スターウォーズ」等に対抗するべく、邦画のＳＦ大作と称して公開され大コケしたらしい。それはそれでなんとなく納得できる。娯楽要素は殆ど無いに等しいし。物語的にも各エピソードがやや細切れな印象で掴みどころのない作風になっている。だが、個人的に本作は「誰に感情移入して観ればいいんだ」とか「宇宙人出てこねーのか」とかそういう見方でなく、作品全体に漂う揺るぎない体制側の恐怖をジワジワと感じ取り、個人単位ではどう打開することも出来ない破滅へと移行する社会が、７０年代のどこか懐かしい風俗描写と相まって強烈にアピールしてくる。特に、テキサスが苦渋の選択でカ〜ワイイ竹下景子をババババッと撃つシーンは衝撃的だった。決して拍手を送りたくなるラストではないが、「ペシミスティック過ぎる！」で一蹴するほど簡単に忘れる事はできない。ＵＦＯや青い血が、スーパーサブ的な扱いだったのも大正解だろう。

まさに血で血を争うこの「ブルークリスマス」、フィクションと言えど似たような事態は既に世界中で・・・言うにあらず。