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[コメント] オールド・ルーキー(2002/米)

「今日は何をする? 野球さ!」 〜 あまりにも感激したため、初稿に手を加えてしまいました…。 
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私(現在3●歳)には家族も仕事もあるが、昔130キロだったストレートが150キロになっていたら…うーん、やはりプロの入団テストを受けるかな?

いやはや、またもやアメリカン・ベースボール・ムービーにやられてしまった。正直、かなり感動した。上記のような立場の者からすれば、主人公を支える家族がしっかりと描かれているところにものすごく共感するところがあったのだ。実際私も過去に家族を犠牲にして仕事に没頭したことがあったが、そんなときに我が家を支え続けてくれた妻や子どもの姿がダブッて号泣した。普段は映画と自分の人生をリンクさせることはあまりないのだが、元々大の野球好きである私には、この映画はピタッとはまるところがあったのだろう。

台詞もいい。岐路にさしかかった彼に妻は言う「まだ野球が好き? それをよく考えて」。ボールパークで久しぶりに出会ったわが子には「背が伸びたな」。またそこで妻が「すてき、かっこいい」。ああいう立場でそんなこと言われたらこんな私でも妻の手を離さないだろう。

彼のメジャー行きの要因となったハイスクールの生徒たちや、古いつきあいの人々を丁寧に描いている点もいい。それがあるから感動も膨らんだ。その分父親との関係が薄まって記念ボールだけで済ました収め方には不満が残ったし、デニス・クエイドチャーリー・シーンくらいの球威があったらと思ったりもしたが、ここまで自分の中に入り込んだ映画だ。そこはオマケしてしまおう。

今度は家族で観たい。息子もこの映画なら付き合ってくれるだろう。観終わったあとはもちろん 「今日は何をする? 野球さ!」

     *** と、ここまでが初稿。けれどあまりの感激に以下追記 ***

参考までに彼の記録を調べてみると、1999年から2000年の2シーズンにかけてタンバベイ・デビルレイズに在籍し21試合に登板。0勝0敗0セーブ。15回を投げて被安打13、奪三振13、与四死球9、失点12、自責点8、防御率4.80という成績が残されていた。しかし、自分でこのようなことをしておいて何だが、彼を語るうえではこのような記録を紐解くことはたいして重要なことではないということを改めて思い知らされた。というのも、彼に関する多くの記述のほとんどが、彼が記録よりも記憶に残る選手であったことを物語るものであったからだ。

それらの記述によると、実際の初登板も彼の地元テキサスで行われたレンジャーズ戦だった。6−1とリードされた場面でオールスターにも出場した経験がある強打者と対戦。100マイル近い速球で見事三振に切ってとり、その際には本当に家族や町の人々を含む大観衆からの割れんばかりの歓声がいつまでもボールパークに鳴り響いたということだ。ということは、映画はかなり忠実にそのドラマを再現していたことになり、映画で観たあの素晴らしい初登板のシーンを思い返して再び熱いものを感じてしまった。

しかし、この話、実話だとは聞いてはいたものの、そんなに最近の話だとは思っていなかったので少なからず驚いたのも事実だ。と同時に、そのくらいの年ならリアルタイムでそれらの映像を目にすることができたのにと、そのことが残念で仕方なかったりもした。

ちなみに最後は左肩の古傷が再発し引退せざるをえなかったようだが、彼自身は引退したつもりは全くなく、働く場があれば(それが日本球界であっても)チャレンジしてみたいという思いがあるようだ。

映画に感動した側からすれば「悪いけど、あまり欲を出さないで」と思う気持ち半分、「いや、幾つになっても夢を追い求めるのは素晴らしいことだ」と思う気持ち半分というところだが、そんな心配をしてしまうのは、彼ならまたやってくれるんじゃないかと思う気持ちがおこるからで、そのような意味でも改めて夢を叶えた人間の強さというものを感じずにはいられない。

     ******

とまぁ、勢い余って長文になってしまったけれど、結局私はこの映画が大好きだということが言いたかっただけです。つまらないことをダラダラと書いてしまったという反省はありますが、どうかその気持ちに免じて許して下さい。

(評価:★5)

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