[コメント] リンダ リンダ リンダ(2005/日)
最後の学園祭を控えた女子高生のバンド仲間がとあることから仲違いをし、結果出演をとりやめる寸前までいくのだが、これもまたとあることからブルーハーツのコピーバンドとして出演することとなって…と、物語の大筋を説明するとこれだけで終わる話なのだが、そのことにまつわる数日間のごくごく普通の日常の描き方がとにかく素晴らしい。
普通に農家っぽい家に住んでたり、弟たちと4人部屋って子がいたり、家ではジャージにメガネだったり、あと4人がベースの子の家で練習する時も、いかにも風呂上りって感じに髪が濡れていたり等、一見どうでもいいようなところなんだけど大事なところがしっかりと画に表されているところがすごくいい。
また、ドラムの子と同じクラスの男の子との淡い恋物語も、最初は携帯→家の電話だったものが、最後は携帯→携帯になってたり等、細かいところでの進展が懐かしいドキドキ感につながっていていい感じだ。
あとはやっぱりソンさん(ペ・ドゥナ)がいいんだな。彼女がキャスティングされた経緯なんてもちろん知るところではないのだけれど、彼女のように本名よりも役名で覚えられるようなヒロインを持つことは映画としてはとても大事なことだと思う。その意味で彼女は本当によかった。
あと、これはもう考えすぎかもしれないんだけれど、「もぐら叩き」や「大雨」、「素足の女の子」なんて画を観せられると、僕なんかはすぐに相米慎二を思い出してしまう。確かに全然関係ないと言われればそれまでなのだが、彼がバービー・ボーイズを使った時のような衝撃がこの映画にあったは事実だし、そういう意味での個人的な楽しさがあったことだけはやはり記しておきたいと思う。
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