ロッキーとの再戦に敗れ表向きは第一線を退きながらも、いつかもう一度この永遠のライバルを倒そうとトレーニングを続けていたとは、アポロ・クリードは全く恐れ入った男であるし、こういう話を思いついたスタローンの脚本家としての力はやはりすごい。

正直、クラバーとロッキーとが激闘を繰り広げていたときも、彼らよりアポロの方が強いと思わせる存在感があったのだから、これは映画としては困ったことだったろう。

最後はそんな彼とロッキーとのリベンジマッチ？　にて幕を閉じるわけだが、アポロのパンチの方が先にヒットしたんじゃないかと思わせる、微妙なところでのストップモーションがいい。

逆に彼に押される形で損な役回りとなったのが、悲劇の死を遂げなければならなかったミッキーだろう。こんなことならば「こいつはパンツを１０年穿き続けている」と言われても逝ってしまうことはなかったのにと、こちらに関してはいささか残念であった。