[コメント] 浮草物語(1934/日)
サイレント期の大傑作。小津が数ある自作の中からこれを『浮草』としてリメイクした理由を探りたいのならとにかくこの作品を観ればよい、観ればわかる、と、断言しておけば間違いないと言い切れるほどこの作品は「小津の映画」として完成されている。
これを観たあとに『浮草』を楽しむのが本当だろうが、その逆もまた楽しい。あの三井秀男が長男役であったり、何と言っても突貫小僧の犬、その存在感。坂本武の喜八はもちろん、トーキー版にも負けないあの魅力的な女優陣のぶつかり合い。
サイレントでありながら音が声が笑いが聞こえてくるような不思議な感覚を味わえる大傑作。泣けるという点ではむしろトーキー版を上回る。
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