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[コメント] 蒼き狼 地果て海尽きるまで(2006/日=モンゴル)

角川春樹の長年の構想が妄想になった感が強い。
ナム太郎

本筋が成立しての戦闘シーンなら栄えるが、それをばかりを重んじるあまりテムジンの成熟という柱が決定的に説得力を欠いた。こうなると何をやっても付焼刃で、物語性の不足を補おうと挿入されるナレーションが更に興ざめ感をあおるし、役者に関しても大作と銘打った割に配役が地味なのはまだしも、出てくる者がみな棒読みか叫ぶかでは学芸会と評されても仕方のないところだろう。

角川春樹は本作の構想に数十年という歳月をかけたというが、制作者の思いこみが強すぎる作品は失敗に終わるのが多いということは自身の体験からも身にしみているはずである。にもかかわらず同じてつを踏み続け、現在に至るまで幾多の珍作・迷作を世に送り続けているのはある意味すごい。

(評価:★2)

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