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[コメント] しあわせのパン(2011/日)

元々のコンセプト自体が、第一に「北海道の新たな魅力を感じてもらえるような」、第二に「女性向けの」映画であったとのこと。なるほど。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まず純粋に景色がよい。洞爺湖(厳寒の北海道でも凍らない湖であるらしく、まさにこの物語の舞台にふさわしい場所だ)の畔、月浦に行きたいと思わせる要素がふんだんに盛り込まれ、それなりに売れた作品であることを考えれば、第一の目的は達成されたと考えてよいだろう。

また、第二の「女性向け」ということについても、自らに新たな一歩を踏み出させてくれた唯一の、そして最大の理解者である夫(喋らない大泉洋という配役がよい)とともに、心に悩みを抱えた人たちに寄り添うことによって、自らの凍り付いた心もが溶けていく主人公(まさに原田知世のためにある役のようだ!)という物語も良かったのではないだろうか。そのそれぞれが冒頭に示される絵本のように、その結末に向けてあり得ないほどファンタジックに描かれるという作りも悪くない。

近年の三島有紀子の諸作と比べると確かに演出の力は弱い。特に中村嘉葎雄渡辺美佐子、両大ベテランの熱演は、作品全体のトーンを考えるともう少し抑えさせるべきだったと思う。が、デビュー作の新人が、なかなかそこまでは言えないよなと、それに関しては、あえて目をつぶることとしておきたい。

(評価:★3)

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