[コメント] 深夜食堂(2014/日)
TV版での30分尺だからこその心地よさを好む者にはやはり冗長。映画だからこそむしろ消去法に徹し、多部篇(「とろろご飯」)のような料理に見合った粋な小話で揃えてほしかった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
本作では多部篇(「とろろご飯」)が白眉。まずは彼女の本当に臭そうな感じがよく、あれがあったから銭湯という昭和的な装置が生きた。また、古い自転車を懸命に漕ぐ上り坂も印象的で、そのあとに続く小さな八百屋も『深夜食堂』という舞台によく合っていた。手伝いが終焉を迎えるあっけなさや、その後の身受け話にも「らしさ」があり、この話だけはドラマファンも納得したのではないかと思う。
ただ、常連さんの中で目立った役が与えられていたのがオダギリジョーだけだったのは残念。高岡&筒井という『バタアシ金魚』コンビに託した松岡の気持ちもわからなくはないが、高岡篇はともかく、筒井篇は『深夜食堂』では料理しきれない材料だっただけに、ならば常連さんによる小話のひとつでもあったほうがより楽しめたのにというのが本音だ。
ところで最後の田中の怪演は何? あれは意図的な演出か、それとも彼女自身によるものか? いずれにしても本作には不要な変調だったと言わざるを得ないし、あそこまでさせるのであるならば、『深夜食堂』の世界自体をもっと壊すのも一興であったろう。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。