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[コメント] 運び屋(2018/米)

日本的に例えると老梅の趣き。1日だけ咲く花のために己の全てを捧げる主人公の姿は、まさに今も映画にその身を捧げ続けているイーストウッド自身の姿にも重なり自然と胸が熱くなった。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







観客は彼がいつか捕らえられるとわかっている。そういう意味でDEAによる捕物劇には緊張感が伴わない。むしろ物語は、ロードムービー的な緩やかさの中においてその本筋が温められていく。そして彼が家族と社会への2つの罪をどう償うのかが焦点となっていのだが、そのあまりにも見事な幕引きには涙を禁じえなかった。ましてや家族の一員に実娘アリソンが加わっているのは、これこそが彼が犯した初めての「反則切符」だろう。

またこれは邪推だが、彼のRUNがアメリカ的に不吉とされている「13」に行きつくことなく「12」の途中で終わるのは、ある意味でのハッピーエンドを暗示していたのかとも思った。そのように考えると、娘との暗黒時代も「12」年半で終わりを告げていることに気付く。

さらに深読みをして思いを巡らせると、彼が本作を撮っていたのは100歳まであと「12」年と少しという頃であった。そんなことを考えると、彼には本気で100歳まで映画を撮り続けていてほしいと願わずにいられない。そしていつまでも彼の映画とともに成長したこの五十路の輩の胸を高鳴らせ続けてほしい。そんなふうに思いながら今回もまたにこやかに劇場をあとにした。

(評価:★4)

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