[コメント] 男はつらいよ(1969/日)
「桜が咲いております。懐かしい葛飾の桜が咲いております…」
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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渥美清という不世出の大輪の花が散ったことにより幕を閉じることとなったシリーズの幕開けがこのような台詞で始まっていたとは知らなかった。開始早々にグッとくるものがあった。
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映画自体には短編集のような味わいを感じた。正直言って大傑作というほどの出来栄えではないが、よくあれだけのエピソードを90分という尺でまとめたものだと、職人としての山田洋次の手際のよさには十分に感心させられるものがあった。もちろん第1作ということを考えると、いかにも性急に事が進みすぎるという印象を持つのも事実だが、この映画が作られた背景にTVシリーズでの絶大な人気があったことを考えると、当時この映画の封切を楽しみにしていた人たちにはかえってこのくらいの話の進み具合でないと物足りなさを感じるほどだったのだろうと納得することにした。
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それにしても渥美清という役者のすごいこと。あまりにも長く続いたシリーズによりどうも軽く見られがちな寅さんというキャラクターだが、今回改めて原点に触れてみてそのすごさを思い知らされた。
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あと、これは蛇足だが、和服が似合う光本幸子はもちろんのこと、ミニスカートの倍賞千恵子のみずみずしさには正直驚いた。別の意味で当時の人間だったらと変な錯覚を起こしそうになってしまったことを素直に告白しておこうと思う。
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