[コメント] さらば、わが愛 覇王別姫(1993/香港)
今は故人となったレスリー・チャンの魂が生き続けるこの作品は、映画というものの素晴らしさと、それに相反する残酷さをも感じさせて私の心を掻き乱す。
「どんなにいいコースに投げても、全国にはそれを打ち返す打者がいる」という名言を残し甲子園を去った球児がいたが、レスリー・チャンの相手役という悲劇のカードを引いてしまったチャン・フォンイーはまさにそんな心境だったのでは。いや、この映画に関して言えば、コン・リーですらそんな心境であったかもしれない。それほどレスリー・チャンの妖艶な魅力は図抜けていた。
前半は奇跡的な演出力を見せたチェン・カイコーも、後半はやや失速するのだが、それを救ったのもやはり彼。彼なしにあの集中力の持続はあり得なかっただろう。それを思うと、映画界は本当に惜しむべき才能を失ったものだと思う。
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