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[コメント] 赤ひげ(1965/日)

荘厳な人間ドラマの連続。特に、佐八(山崎努)と、おなか(桑野みゆき)の悲恋が、圧倒的に美しかった。映画内映画の趣で、溝口健二にも通じる情感がある。
いくけん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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まず、たおやかに降る雪で、二人の世界に引き込まれた。二人が再会した時、一陣の風が吹き、風鈴が一斉に鳴り出す場面には、風鈴の音の切なさと、黒澤明の演出の冴えに、思わず息を飲んだ。時間が止まった。地震で崩れた瓦礫の美術も見事で、あの煙る太陽まで、黒澤は演出していた感じだった。何ともダイナミック。

あと、長次(頭師佳孝)が、つぼに綺麗に並んでちぢこまっている場面は、居場所のないあの子の心境をよく表していた。絵的にも、何とも可愛いい。細部までいきとどいている。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (7 人)寒山拾得[*] coma[*] 水那岐[*] 甘崎庵[*] ina 太陽と戦慄[*] chokobo[*]

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