[コメント] 戦場のメリークリスマス(1983/英=日)
坂本龍一のテーマ曲が、何とも忘れ難く、暖められたくて何年かに一度は邂逅
したくなってくる。不思議な魅力を帯びた稀有な映画です。
数年ぶりに観てみると、この映画の持つ本格的なテーマに圧倒されます。テーマはズバリ、ホモセクシャルの偏見や人種、戦争、国家を超えた人類愛につきるでしょう。大島監督のこの映画の次回作『マックス、モン・アムール』と全く同じテーマなので、驚嘆しました。(よろしければ、このテーマについて、私の『マックス、モン・アムール』のコメントを御参照下さい。)一見、全く趣向の違う映画なのに!やはり、大島監督はモノが違う。そして同じテーマを繰り返す監督の誠実さに心打たれました。
セリアズ少佐(デヴィッド・ボウイ)の銃殺刑が執行されず、その後、ハラ軍曹(ビートたけし)の昼寝を悠然と写すシーンが、心に訴えかける。遠くに名曲『蘇州夜曲』が流れていて。人殺しはいけない。平和がいい。と、心底思った。
オープニング・ロールの赤い文字も印象的です。日の丸の赤?いいえ、違うでしょう。監督の溢れんばかりの、人類への熱いメッセージが、赤い文字に!
野太く、若々しいビートたけしにハッとしました。こんな時代もあったんだ!そして、撮影監督の成島東一郎に敬意を評します。重厚なんだけれども気品がある、いつもより、もっと凄みのある映像です。
★4.5
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