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[コメント] 銀河(1968/仏=伊)

全編宗教論争ばかりで丸々1本映画を撮るという試みが凄いし、シュールレアリズム的表現も随所で冴えている。無茶苦茶面白い。ブニュエル流のユーモアを堪能するのと同時に、いつの時代にも対立し分断してきた人間の歴史の積み重ねも感じずにはいられない。
太陽と戦慄

エピソードの寄せ集めみたいな作りで全体を貫く物語性はないものの、冒頭に登場する謎の男の台詞が、ラスト近くの娼婦のエピソードに繋がるのは気が利いている。それもまた絶妙に意味が分からないのが良い。他の晩年のブニュエル作品と同様、音楽がほとんど使用されていないのだが、聖母マリアがいきなり出現するシーンだけキラキラした音楽が流れ始める。子供たちの「呪いあれ!」とか、議論しながらの決闘だとか。ブラックユーモアというのともまた質が異なる感じがする、とにかく珍妙なシーンの連続で最高である。

(評価:★5)

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