[コメント] 天国と地獄(1963/日)
「予測不可能の面白さ」、最高到達高度記録保持作品!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
予備知識を仕込む事を頑なに避けたおかげで、初見時に高校生だったオレはまっさら状態でこの映画を観た。
誘拐されたのは使用人の子供だった! この時点でオレは激しく動揺。『サイコ』のあの場面のあとのような、拠り所を失った極度の不安状態に。見えざる犯人(この時点で若き山崎努が犯人だなんて勿論知らない)の電話にビクッと過剰反応するオレ。「…子供を間違えた」 この犯人の台詞のあとの数秒の間、この数秒にオレは脂汗ダラダラ、なんだかお腹が痛くなったのを覚えている。この映画は健康に悪い。
他人の子供でも3000万円払えという展開にも仰天。以後、特急こだまのシーンでまたしてもお腹が痛くなり、確実だがいかにも遅い捜査の進展に脂汗がしたたりおちた。そういえばこの映画、真夏の熱帯夜に一人真っ暗な部屋で海外版輸入ビデオで観たのだった。
いまや『天国と地獄』は当たり前のように犯罪映画の定番・古典になっているけど、古典になっているからこそ忘れられていることがあると思うのだ。それは、まったく予備知識なしで観た場合にこの映画がいかに予測不可能な展開を見せ、客の心を縦横に振り回し、胃をキリキリ痛めつけ、脂汗をダラダラ流させるとんでもない映画であるかという事である。凄い映画は、ホントに健康に悪いです。
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