コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] トゥモロー・ワールド(2006/米)

ボンヤリした物語を迫真の描写で描く、なんとも奇妙な味わいの映画。
ペンクロフ

映画を観終わっても、この映画に出てきたテロ組織、政府、「ヒューマン・プロジェクト」とやらがいったい何であるか、何もかもボンヤリしていて全然よく判らないことに驚く。逆によく判るキャラクターは隠遁したリベラルじじい(マイケル・ケイン)で、この人だけには思わず「イヨッ、終末SF!」と声をかけたくなる。

話題の長回しはおそらくCGで繋いでいるのであろうが、そうだとしてもやはり凄い。特にクライマックスでは瓦礫の中を走り回る主人公を後ろから前から畑中葉子、いやいやこのカメラマンの運動能力は凄いよ。想像される段取りも膨大で、おそれいりましたと言う他はない。

ただ面白かったわりには、好きな映画ではない。たぶん脚本の問題と思うが、多少なりとも感情移入できる登場人物がリベラルじじいぐらいしかおらず、オレには映画で起こっていることがすべてどうでもいい他人事に思えた。長回しに代表される演出の工夫にはかなり興奮したが、心抉るSFであったかといえばこれは「否」である。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ロープブレーク[*] プロデューサーX[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。