以前から思ってたが、小畑健の絵はうまいと思うけどビビるほど魅力がない。特に女性は表情と感情に乏しいお人形さんでしかない。極めてアニメに向かないデザインなのだ。そもそもキャラクターがろくに描かれておらず、彼らの動機に乗れるスイッチが入らぬままなのでただノーテンション、無の境地で眺め続けるしかない。

作る前は絶対これ凄いで傑作になるで、と会議は盛り上がったんだろうなと想像できる。自由自在に動くカメラで空中無重力パルクールやで、誰も観たことない映像やろと。ところが映像化されてみると、重力無視のパルクールなんか死ぬほどクソつまらねえ。

パルクール場面は作るの絶対大変な見せ場なんだけど、見る側からするとダラダラやっつけの流れ作業みたいに見える。アニメーションのアクション原理って実写とは違ってて、ただ身体能力で凄いことさせてても観客に凄いとは思われない。今作で言えばウワー落っこちそう、高いとこおっかねえ危ねえ、おっとっと、がしつこいほど必要だった筈だ。でも全然ないんだもんなあ。パルクールは全て決められた演舞、約束組手のようにしか見えない。

※監督インタビューによると、実際は荒木監督（WIT STUDIO）の方から川村元気に近づいて始まった企画なんだそうだ。こりゃーいけませんね…