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[コメント] ワイルド・ブリット(1990/香港)

自転車の回想シーンには涙。『ウェストサイド物語』みたいなムチャな冒頭から、様々な映画ジャンルを横断しつつ描かれる野郎3人組の物語。葉巻爆弾もあるぜ。
ペンクロフ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







とにかくムチャクチャな映画で、やりたいことをあれもこれもブチこんだ感がある。元ネタの『ディア・ハンター』もいい映画なのに、これ観ちゃうとお遊戯にしか見えなくなっちゃうので困る。

娼婦に身を落とした女性歌手とか、このストーリーに必要か? などと思うものの、香港の暴動とベトナムの暴動、別の国の動乱を同じシチュエーションで繋げる無理やりな場面なんか、無理やりだけど力強くて感動する。調べてみると、この映画はかの天安門事件の1年後に公開されていた。軍が同国の民間人に銃を向ける場面が再三描かれているのは、そういうことなのだろう。暴力の詩人ジョン・ウーでさえ、世界の現実から完全に自由ではいられない。

しかし我々には葉巻爆弾がある。葉巻爆弾=ファンタジー=要するに「映画」で、ジョン・ウーは現実と闘うのだ。

(評価:★5)

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