県庁風刺をコメディタッチでやろうとした意欲は買うし、うまく描けているところもあるけど、県庁ってそんなんばっかでもないのを誇張したきらいもあってちょっとすべっている。や、それくらいならいいさ。

スーパーに来て、いきなり態度でかい。まずこれは議員やまぁ県の上層部のお偉いさんまで行けばそんな態度の奴も珍しくもないかもしれないが、係長くらいで、そんな奴は、「県庁の体質」じゃなくて「個人の性格がおかしい」。風刺になっていない。 県庁さんと呼ばせ続けるのも、個人の資質。まぁ、いいだろう、こういったところは風刺ではなくて、周りを見れない男が挫折を味わって変化する物語だという風に受け取ることにしよう。

消費期限の件でスーパーの方針と戦うくだり、ありゃなんだ。そう、役所と民間と皆は対比するけど世の中必ずしもそんなもんじゃない、そこを描いたのはいいと言えなくもないんだが、その話が弁当売上対抗戦になるのが意味不明。しかも、なんだあの意味不明の高級路線は、そのセンスは役所の風刺？ほんとか？それとも単に主人公のセンスのなさ？後者だとすると後半の成功が意味不明になる。それより一番わけがわからないのはあんなに売れないしかも高級食材を大量に捨ててる状況を県庁さんだからと容認し続けたスーパーの責任者。あほか。ありえねー。

スーパーでも経営問題になって、県庁でも権力争い、さぁ、ここで改心する主人公。何でだ。ここは役人体質が変化するところ？人間性が変化するところ？どっちかというと後者のようだが、彼女との別れは、彼女とのそれまでの描写があまり丁寧でなかった分あんまりどうでもいい。それより、酔っぱらって独身女性のスーパーの店員の部屋に押しかけるってどうよ。頭おかしいんじゃない？仲がいいわけでもないのに。

改心して、スーパーで成功、で終わってればまだ良かったのに映画は引っ張る引っ張る。なんだ最後の提案は。スーパーの成功談は別に役所の発想が生きたわけでもないけど、別に彼があそこで民間の発想に目覚めたというわけでもないし、才能がたまたまベクトルがいい方に向いて成功しただけに見えるのだが、そんなに優秀なんだからおまえ県庁なんかにいかずに霞ヶ関か東京の大手民間企業に行かなかったのはなぜだ、いや、それは目をつぶろう。だけど、あそこで部署も異動になっておきながら突然会議で不規則発言して遮って正義ぶる、ありゃなんだ。心を入れ替えた？唐突すぎてついて行けない。しらけてしまう。だーめだわ、こりゃ。

ラブストーリー、この二人が引かれ合った理由ってあんましよくわからんですが、まぁ、いいや。