[コメント] 妖怪大戦争(2005/日)
これはこれで肯定。(2005/09)
確かに30年前、私が子どもの頃に馴染んでいた「妖怪映画」とは違うけれど……
私が子どもの頃の30年前は、水木しげるのマンガの風景は田舎のおばあちゃんの家にいけばまだ見ることができる近しい存在だった。近所にもまだまだあんな感じの赴きのある古い家が残っていた。でも今では、あんな風景はなかなか見られない遠い存在になってしまった。もし、私が子どもの頃に楽しんだアニメやマンガの世界をそのまま今映画にしたとしたら、今の子ども達にとっては「どこかの世界のファンタジー」になってしまうほど遠い風景になってしまったのではないだろうか。若干陳腐ではあるが、現代的な風景や既視感を加えたこういうアレンジは有効だったと思う。
同様に、30年前は、TV番組も映画も、CGはほとんど無く特撮がメインだった。特撮→CGの時代の変遷とともに育った私の世代とは違い、今の子ども達は、バリバリCGから入っている。そんな子どもにとっては、馴染みのあるCGを入り口にすんなり入りながらも、むしろ陳腐なCGよりもずっと魅力的に作られた特殊メイクの妖怪たちに魅惑されたに違いない。
力をほどよく抜いた妖怪たちにの造形も好感。人間の戯事ではなく、祭りという快楽に向けてエネルギーを注ぐ妖怪たちの姿に、人間に向けた水木しげるの強いメッセージを感じた。
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