「誰もが知ってる伝説のジェシー・ジェームズ」という観点から作られていた映画だったのだろう、彼の(実際には虚像であれ)ヒーロー的側面を知らない私にとっては、意外性も無く、二面性を感じることもできず、ただ悩みに満ち溢れた鬱々とした主人公としか写らなかったのが残念。

そのためか、終盤近くまで誰に対しても感情移入することができず。蚊帳の外状態で、彼らの行動をただぼーっと眺めていただけだった。

面白くなってきたのは、アニキのキャラが立ち始めてから。弟の立ち居地と兄の立ち居地が逆転してから(実は兄の方が限りなく凡人だった)、ようやく凡人の私が感情移入できる場所を見つけることができた。

ジェシージェームズよりも、最初からもっとあの兄弟をフォーカスしてくれていた映画だったら、私にとってはそちらのほうが面白い映画になったかもしれない。