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[コメント] ブルークリスマス(1978/日)

「誰にも具体的に言われていない。なのに、誰かに言われている気がする・・・」。ナチス以来決して拭い去る事が出来ない権力・マスメディア・大衆の現代をこれほど重く描き出す映画は少ない。
HW

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







差別されるべき人間、排除されるべき人間という「集団」が権力によって作られる。マスメディアが広く深く浸透した現代世界ではそれがいかに素早く容易に行われる事か。しかも全世界でだ。「共通の敵」を設定する事で各国がいともアッサリと足並みを揃える展開には笑えないリアリティがある。国連の名の下、各国の軍国化と監禁・虐殺政策が進行するとは何と絶望的な世界であろう。メディアと軍とにそれぞれ属する2人の主人公がそれを止める事が出来ず、あるいは、それを担ってしまい、そして、挫折し、あるいは、破滅する。素晴らしい悲劇脚本。

しかし、飛来するUFO群などを暗示的に扱うのはいいと思うが、破滅型のSF映画としてはもう少し暗示的という事を明示的にすべきだったのではないだろうか?絡み方が終始中途半端なので、どうしてもカタルシスに欠ける感じが否めない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)シーチキン[*] おーい粗茶[*] sawa:38[*]

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