[コメント] 駅馬車(1939/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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襲いかかる残虐なネイティブ・アメリカンに、ピンチに駆けつける正義の騎兵隊という構図は合衆国民(アメリカ人というと何か変なので)の目から見た一片の事実として成立するのだろうから仕方ないにしても、納得いかないのがあのアパッチ族の妻の扱い。あれはつまり、牛飼いに馬を盗ませて、自分もアパッチ族の所へと帰ったという事なのですよね?当然のようにそういう描写がされている事には驚きと恐怖を禁じえなかった。
同様の発想で、この数年後には「日系人はみんな帝国日本のスパイだ」なんていう映画も作られていたのだろう。当然、逆に日本でも同じように、あるいはそれ以上にそういう発想があったし、今も消えず、「在日朝鮮人はみんな北朝鮮のスパイだ、北朝鮮に帰れ」なんていう残酷な発言が一部であるわけだ。関係無いとか考え過ぎだとか戦後教育の洗脳だとか色々言われそうだが、「共に住んでいても他人種は結局裏切る」と平然に描写される感覚には嫌悪感というより、ゾッとする所があった。
昔からのファンの方はそんな所は無視して「カメラが凄くて、脚本が面白くて・・・」と語りたいだろうし、こんな話聞きたくも無いだろうが、今のうちから「名作だが、この映画にはそういう問題点がある」という認識を共通の物として広げておいた方が、今後においても安心して語れる作品になるハズ。だから避けないで欲しい。
しかし、最後の決闘、あの手の銃(しかも弾は三発)で正面近距離から堂々と武装警戒した三人組を無傷で仕留めるとは神業だ!帰ってきたジョン・ウェインの元気な姿に感動すべきが、ちょっと笑ってしまった・・・。(笑
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