ただでさえ面倒な上、護衛までついてる妊婦を誘拐する理由がイマイチ良く分からない。ただのチンピラかと思わせていた誘拐犯二人があそこまで戦闘技術に長けているのもしっくりこないのだけれども、あれだけの腕と種々様々な銃器、さらには死の覚悟があるなら、あんな厄介な計画よりも、もっと簡単な金の入手法ぐらいありそうだが・・・。後先見ずに誘拐を実行して、破滅的な戦いに身を投じていくというストーリーの柱たる行動がイマイチ納得できなかった。

登場人物もそれぞれに背景を持たせているようだけれども、しっかり観客に伝え切れておらず、なんだか暗くスッキリしない雰囲気だけ生まれ、疲労感に繋がっていたのは残念。

しかし、銃撃戦は好き。通常のハリウッド作品とは一線を画す見事な出来。『ユージュアル･サスペクツ』に関連付けた宣伝が行われていたが、むしろ原題もそうなのだから、しっかり銃撃戦をメインに押した紹介をしていれば、もっとマニアの支持は得られたと思う。決して悪くはないと思う。