[コメント] マトリックス レボリューションズ(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
もう悪徳商法どころじゃない壮絶なまでの論点のすり替え。1作目『マトリックス』の面影などまるで存在しない。「戦争!」「戦争!」「平和!」「平和!」って何時からそんな話に・・・少人数で警官隊をバタバタと血祭りに上げて行くテロ活動的アンモラルな快感は何処へ?支配システムへの怒りは何処へ?超大国とテロ支援国家(?)の物量戦を見せられた挙句、最後は平和って・・・何だよ、そりゃあ?「愛」とかどうでもいい!!(笑
そもそも「人類対機械」の戦いだったハズが、何時の間にやら大量増殖したスミスが舞台中央へ強引に(数にモノを言わせて!?)躍り出てしまい、かと思えば、そのスミスの出番も決して多くないという意味不明な構成からしてダメダメ。この映画は本当に酷い駄作です、ネオにしてもトリニティーにしてもスミスにしても主人公格が平気で30分〜40分も登場しなくなる。ザイオン攻防戦が全く熱くならない原因はもちろんこれで、ぶっちゃけあの戦いは本筋とあまり関係が無い。少なくともあそこまで時間を割くほどは。また、いかにミフネ船長が漢気を見せようと、2作目で我々を大いに失望させてくれた憎き都市・ザイオンの危機など初めから我々の関心事ではないのだ。もちろんザイオン市民の歓喜の声も同様である。
そんな論点もクソも無いネオとスミスとの決闘が面白くなるハズも無く、おまけに大袈裟に空を飛び回るくせにチマチマ殴り合う事しか出来ないというもどかしさ。アメリカ人ならばいざ知らず、『ドラゴンボール』『幽遊白書』といった超絶格闘漫画・アニメや香港アクションを見て育った日本国民を満足させるには程遠い。アホをやるなら、いっそ何千、何万というスミスが文字通り飛びかかる中、ネオが1人次々とブチのめして行くとかそういう方が爽快で爆笑だったのに。
それにしても、ガンアクションは結局戻って来なかった。柱ボコボコを再びやっていたので少しは期待したかったんだが、結局あそこだけ。ついでに、サイバーパンク色もかなり薄れて、ジャックインも電話も全然無いとは・・・。
続編のジンクスなど特に信じていなかったのだが、これほどシリーズ化が余計に思えた映画も無い。1作目は好きですよ。あとはクソです。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (9 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。