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[コメント] 呪怨(2002/日)

掟破りの霊にどうか掟破りの制裁を!!(『女優霊』のネタバレあり→)
HW

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







恐怖演出の方向性としては正しいと思う。70年代・80年代のアメリカ産ホラーや90年代以降の中田秀夫高橋洋コンビ、黒沢清らの日本ホラーなど、それらを上手く取り込みつつ、趣旨を理解した上で逆手に取った手法も見せていて、面白い。霊が誰かを襲うのに人間的動機なんかないというのも恐らくは上記の日本ホラー映画人らが共通認識している所でしょう。

しかし、恐怖演出だけでは短編にしかならず、それを分かってか、オムニバスにした事で、クライマックスであるべき出現シーンが前振り共々幾度も繰り返され、あの手この手と変えられても、映画が先に進んでいるような感覚や高まって行くような感覚はなく、すぐに飽きて来る。長編映画的面白さは軽薄。繰り返される音の演出も恐怖というより生理的不快感ばかりで、かなりイライラ。

また、どちらかと言うと、SFやアクションなんかが一緒になったような映画を多く見て育った人間からすると、霊ってのは卑怯極まりないんですよ。都合良く何処へでも出現する、出会っただけでやられる。この映画ではさらに卑怯で、家に入ったら、襲われるというのはいいのだけれど、自宅まで平然と押しかけて来るというのは頂けない。というより、出張先での方が明らかに攻撃が派手になっているのが頂けない。こういうのは殺人鬼キャラのやる所であって、全く制限も抵抗も受けずに元気良く暴れ回るこの霊は卑怯卑劣の極み。オムニバス形式のしつこさ相まって実にストレスなので、「てめぇ、人ん家で何を・・・ふざけんじゃねぇ!」と殴る蹴る、手足を掴んで壁に叩き付ける、窓の外へ放り投げるなど反則級の物理的制裁を加えるといった戦慄爆笑エピソードが欲しかった。(←他の人の映画

ところで、中田監督の『女優霊』では終盤、霊が普通にすたすたと歩くシーンがあって、えらくガッカリしたのだが、霊の移動法というのはかなり難しい所だと思う。この点に関して、本作では「子供」を活かした普通にバタバタ駆け回る霊というまさに逆手に取った演出が試みられており、実際成功と評価したい。

(評価:★3)

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