[コメント] ブレードランナー(1982/米)
人間の持つ退廃的風景への憧憬をついた見事な作品。だが世界構築という器がしっかりしてるからこそ、登場(人)物への造詣も手厚いものにしてほしかったという欲がでてくるのも否めず。(レビューはラストについて言及)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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主人公デッカードが人間にしろレプリカントであるにしろ、それほど本作の印象が大きく変わらないのは、彼よりもルトガー・ハウアー演じるレプリカントのリーダーの存在感のほうが際立っていたからであろう。レプリカントという役どころを生身の人間の手で演じなければならないのにもかかわらず、それをしっかりと演じきっている彼の演技には感嘆する。(レプリであることを示す演技については他のレプリも概ねうまくいっているという印象)
そもそものつっこみとして、いくら地球の外で働いているからって、あんな面倒くさいテストしなくてもわかるぐらいの見分けはつけるようにしとけよ、それぐらいリスク管理しろよタイレル社、と思うのだが、それは誰にも判らないぐらいの完璧な人間を造りたがったマッドサイエンティストのあの博士の野心によるものだったのだろう。自分が造り出したものに殺される、というのは定番といえば定番だが、あそこでの対峙が一番スリリングだった、博士はあれが本望だったようにも思える。
ただなんかこの世界に騙されているような不快感が拭えないので、4点以上の評価は与えられない。監督リドリー・スコットの視線の置き場がどうもレプリよりもそれを産み出した博士のほうに近く感じるということが、そうした印象に関係しているかもしれない。(1回目鑑賞:ディレクターズカット(←あまり記憶がない) 2回目鑑賞:完全版)
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