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[コメント] パルプ・フィクション(1994/米)

考えるものではなく、楽しむものだと思いつつも…
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







何かを悟ったサミュエル・L・ジャクソンの、聖書の解釈のわけのわからなさ加減が、個人的には一番面白かった。彼に、奇跡とのたまわせる部分あたりが、タランティーノがよく言う「道徳的」な部分なのだろう。あらゆる要素のごった煮であっても、「道徳的」であるタランティーノの意識により作品の統一性が保たれていると思う(エピソード自体はとてもお下品だが)。

サミュエルの言う奇跡を信じないジョン・トラボルタは、(作品内時制では)その後「奇跡」とも言えるぐらい、多くのトラブルに巻き込まれ、あっけなくあのときは当たらなかった弾の前に沈む。二日後の運命を控えた彼が、サミュエルに「偶然だろ」と言ってしまうおかしみ。時制の交錯の筋に関しては、『メメント』より遥かに気がきいている。類似した後続の監督たちに比べると、タランティーノはやはり頭一つ抜きに出たという印象。 

(評価:★4)

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