[コメント] ファッションが教えてくれること(2009/米)
米版ヴォーグ編集長アナ・ウィンターを中心に、 ヴォーグ1冊ができるまでを追っかけたドキュメント映画。
見どころはなんと言っても、ファッション界全体を俯瞰的に捉える、冷静冷徹敏腕編集長アナとヴォーグの真髄そのものである表現の鬼、クリエィティブディレクター・グレイスによる女の闘い。
グレイス「私はアナのように時代(トレンド)を読み取る能力がない」
アナ「私はグレイスのように表現できる能力がない」
セリフを見ればわかるとおり、良くある嫁姑みたいな下世話な闘いじゃなくてですね。例えるなら『ガラスの仮面』のマヤVS亜弓のように、お互いの才能を認め合い、相手の存在があるからこそ自らも切磋琢磨していく、ライバルストーリーの真骨頂のような見ごたえ。
でも、力関係はどうしてもアナ>グレイスなんで、5万ドルもかけて制作したグレイスの特集ページ(ほかの編集部員も口を揃えて「グレイト!」と絶賛するくらい ものすごくロマンティックで幻想的なハイクオリティページ)を 、「クドい」の一言でバッサリとアナが没にしたりするんですわ(笑
面白いのは、そういうことに対して直接ふたりがやり合うことはないんですね。常に相手がいないときに愚痴を言い合う。逆にふたりで一緒にいるときはその話題に触れない。なんだ、アメリカの社会も日本と変わらないじゃんと、ちょっと安心したりして。かわいそうなのは、そのアナとグレイスの間に入って、ふたりの顔色を見ながら右往左往するオッサン。こういう人、どんな現場にもいるよね(笑
他にも著名カメラマンVS編集長アナの駆け引きとか、見ごたえ要素たっぷりなのでもの作る人は見て損はないと思います。あと、当然ながらヴォーグ編集長であるアナはスタイルの良さといい、そのファッショニスタっぷりといい隙がまーったくありません。60歳に見えない。ゴイスー。
ちなみに私はヴォーグを買って読んだことは一度もありません。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。