[コメント] Dolls(2002/日)
慈しみでも自己愛でも性愛でもない。諦観と絶望に裏打ちされた愛を、淡々と、あっさり描いた視点に感銘。
いったい何が「Dolls」を操っているのだろう? ずっと考えながら映画を見た。運命なのか?意思なのか?肉体なのか?それとも悪魔なのか? 求めているもの、突き動かされているものはどうも「愛」らしい。 ただその愛は、他者に対し真っ直ぐに向かうものではない。自己に帰結するものでもない。得られたかと思えばその瞬間に消え、何も残らない。
極めて日本的、東洋的な死生観に基づいた物語といえる。 諸行無常、盛者必衰。はかなきもの、失うべきもの、あきらめるべきもの。 それらが積み重なり、この映画を支えている。
バカバカしいまでの安易な場面展開は、この映画にとってプラスとは言いがたいが、決してマイナスにはなっていない。 どこまでも日本的な日本人による日本の映画として、高く評価したいと思う。
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