話題になってた「アバター」。 映像先行で物語軽視の映画はあんまり好みじゃないので、 どうしようか迷ってたんだけど。

やっぱり気になる！

との気持ちが勝ち、見に行ってきた。 そして2000円払った価値があると思うし、見てよかったとも心から思った。

この映画の全てが「すごいよかった！面白かった！」ってわけじゃないし 「絶対見て！！」と人に勧めようとは思わないけれど。

映画館に足を運んで、お金を払って見る価値はあるんじゃないかなぁ… って思わされる映画だったから。

これ、「映画館で」「3Dで」見てこそ意味がある映画だと思う。 家でDVD＆2Dで見たら、たぶん「クソ映画」認定してたんじゃないかと。

だって物語は全て映像のためにあるんだもん。

「映像を見てね、シナリオは映像の引き立て役だからね？」 って映画だということは重々承知してたんだけど…。

身ばれしたあたりから、すっごい醒めて映画に集中できなくなった。 それまで食い入るように眺めてた映像も、急に色褪せて見えるくらい。

科学的、状況的なものについての多少のご都合主義は許せるけど、 心情的な部分でのご都合主義はどうしても許容できないよ。

真実を明かした後で、あれほど反感かって。 間接的な原因とはいえ、そのせいで親も死んだよね？ 元々敵の一味だった、やっぱり信用できない。 そう思った人間だよ？娘以外と特別親しくもしてなかったよね？

それをどうやってもう1度仲間と認めさせるんだろー？って見てたら。

伝説ですか。勇者ですか。 それ引っ張り出したら、一族郎党みなひれ伏すと…。 そろってコロっと態度が変わり、勇者様扱いですか…。

エイワに認められてたって伏線があるにしても… ナヴィの住民たちが、みんな揃って知能が低く見えたよ？ 結局は象徴的なものを出したら、コロッとだまされる野蛮人だって これって、言外にいってるようなものじゃないの？

まさに昔ながらの原住民のイメージだったよ。 結局、アメリカ人が先住民族をどういう目で見てるかわかった感じがした。

なのに、これを「先住民族弾圧への批判や皮肉」と捉える人もいる。 いやいや…そうなのか？？？

「彼らの事を理解して仲間になったよ！実際すごいやつらなんだ！ 　同胞と敵対してまで味方したんだぜ！HAHAHA！」

って、すごい表面的なところだけで上っ面だけで言ってるだけじゃない？ それとも自分が深読みできなくて理解できてないだけなんだろうか？

でもまぁ、そういう風に色々思うところがあったにしても。 それでなお「面白かった」って、ちゃんと思えるのはすごいことだ。

前半の主人公がパンドラに入り込んで行く過程で描かれる、 パンドラの風景・植物・昆虫…目を奪われた。 まるで自分までパンドラという世界にやってきたかのような、 そんな気分を味わえて、とってもわくわくした。

CG＆3Dって本当にすごい！！！ というか、キャメロン監督すごいよ！

でもどうせなら…。

ストーリーは二の次・盛り上がればOK的なものよりも。 ディズニーみたいな予定調和だけど安心できる映画で見てみたいなぁ。 余計なものに煩わされずに、別世界に浸ってみたい…。