[コメント] ぼくのエリ 200歳の少女(2008/スウェーデン)
吐く息も凍る痛いほどの極寒が皮膚感覚として画面から伝わる。最初、おっさんとエリの関係がよく分からないのだが、徐々に飲み込めてきて、最終的に腑に落ちる。これは堂々巡りの切ない怪談なのだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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エリは歳をとらないが、おっさんは歳をとる。2人が出会ったのはいつのことだろう。もしかしたら、おっさんがオスカーぐらいの少年の頃かもしれない。彼もまたオスカーと同じように、エリに魅入られ、心を通わせ、恋をしたのだと思う。オスカーと同じように、エリに救われたのかもしれない。きっと彼はそれから数十年間、ただエリを守るためだけに、淡々と殺人を犯しながら生きてきたのだろう。その年月を思うと切ない。
長い間にすっかり殺人のプロになっていたであろうおっさんが、単純で致命的なミスを犯したのは、エリが少年に興味を持っていることを知った動揺が原因のようでもある。
エリは歳をとらないが、オスカーは歳をとる。きっと彼はこれから数十年間、ただエリを守るためだけに、淡々と殺人を犯しながら生きていくのだろう。切なくて怖い話。
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