本当に必要なこと、それは要約ですか。それとも省略ですか。

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残念ながら、本当に単純な羅列による「映像化」。

どこにも焦点が合っていないのだ。 だからなにも伝わってこない。

几帳面にあれもこれも映像化してしまうからだ。 だったら１０時間ぐらいの長さがないとだめだ。

例えばワタナベが手を負傷するシーンはいらない。 どことも関連しない、エピソード自体が死んでいる。

極論だが、突撃隊や永沢、ハツミ。 彼らですら映画では大胆にカットしてもいいとさえ思える。

特に序盤と終盤はダイジェスト感が強い。 最初、これまだ予告編なのかな？　と思ってしまった。

そうかと思えばキズキの自殺シーン。 レイコの「私たちおかしいんだから」のセリフ。 直子の死体・・・。

どれも直接、安易に描写してしまうセンスのなさ。

ここは省略するべきなのだ。

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また、緑が出てくるシーンが少ない。 主人公がなぜ惹かれ、なぜ直子に対する責任との間で揺れるのかがわからない。

原作を読んでいないひとが見たら 「緑って脇役かと思ってたけど、そんなに重要な人物なの？？？」 ではないだろうか。

緑に関するエピソードは逆に、省略せず膨らましていくべきだったのだ。

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「愛すること」が伝わってこない。

当然「失うこと」の悲しみも伝わってくるはずもない。

ただ、荒波を見て泣いているワタナベが画面に映っているだけだ。

極めつけはラスト。

なにも考えなかったの？

それでいいの？

監督、意思あったんですか？